男性着物を整理していると、「地味な色だから価値がなさそう」「羽織や袴も一緒に売れるのか」と迷うことがあります。
結論からいうと、男性着物も買取の対象になります。ただし、男物というだけで価格が決まるわけではありません。素材や産地に加え、着用できる寸法か、着物と羽織が対になっているか、袴や角帯に傷みがないかといった点も確認されます。
特に注意したいのは、同じたんすに入っていた品を、すべて「一式」と思い込まないことです。着物と羽織が共布のアンサンブルなのか、黒紋付に合わせた袴なのか、それぞれ別に購入した品なのかを分けておくと、査定時に説明しやすくなります。
この記事では、男性着物を着物・羽織・袴・角帯の4つに分けて確認する方法と、売る前に残しておきたい付属品を解説します。
男性着物は売れる?まず確認したい4つの条件
男性着物が売れるかどうかは、古さや色の地味さだけでは判断できません。最初に次の4点を確認します。
- 正絹・木綿・ウール・化繊のどれか
- 産地や織元が分かる証紙・反端があるか
- 身丈・裄丈・身幅が現在の着用に合いやすいか
- シミ、カビ、虫食い、においがどの部分にあるか
男性着物は無地や細かな縞など、見た目だけでは素材や産地を判断しにくいものがあります。大島紬、結城紬、塩沢御召などの名前が書かれた証紙や反端があれば、着物から離さず一緒に保管してください。
正絹であっても、状態や寸法によっては値段がつかない場合があります。反対に、見た目が控えめでも、産地や織元が確認でき、状態が良ければ査定材料になります。
最初に「何がそろっているか」を分ける
査定前に、和装品を次のように分けて並べると内容を把握しやすくなります。
| 分け方 | 確認すること |
|---|---|
| 着物と羽織 | 表地が同じか、裏地や仕立て時期が近いか |
| 黒紋付と羽織 | 紋の数・種類がそろっているか |
| 袴 | 腰板、紐、内股、裾に傷みがないか |
| 角帯・羽織紐 | 素材や織元が分かるか、折れや擦れがないか |
| 長襦袢・小物 | どの着物に合わせていたか、黄ばみや汗ジミがないか |
着物と羽織が同じ生地で仕立てられたものは、一般にアンサンブルと呼ばれます。ただし、色が似ているだけで同じ品とは限りません。無理に組み合わせず、「同じ人が使っていたが、対かどうかは不明」と伝えれば十分です。
男性着物では寸法が重要になる
男物は、女性着物のようなおはしょりを作らず対丈で着るのが基本です。そのため、身丈が着る人に合うかどうかが分かりやすく表れます。腕の長さに関係する裄丈や、体格に関係する身幅も確認されます。
査定前に正確な採寸ができなくても、無理に測る必要はありません。購入した人のおおよその身長が分かる場合は、査定時の参考情報として伝えられます。仕立て時の寸法票が残っていれば、それも一緒に出しましょう。
なお、大きな着物は必ず高く、小さな着物は売れないという意味ではありません。寸法は、素材や状態、産地などと合わせて判断される要素のひとつです。
種類別に見る査定ポイント
紬・御召などの男性着物
紬や御召は、落ち着いた色柄の男物が多く、外見だけでは産地を見分けにくいことがあります。証紙、反端、織元のラベル、購入店の明細が残っていないか確認します。
状態を見るときは、衿や袖口だけでなく、座ったときに負担がかかる尻まわり、膝、裾も確認してください。表から見えにくい胴裏の黄変や縫い目の緩みも査定に影響することがあります。
着物と羽織のアンサンブル
アンサンブルは、着物と羽織がそろっているかに加え、両方の状態が見られます。着物がきれいでも、羽織の肩や衿、裏地に強い傷みがあれば、その点も伝えておきます。
羽織紐が見つからなくても、それだけで査定できないわけではありません。別の箱に保管されていることが多いため、見つかった場合は近くにまとめておきましょう。
黒紋付・礼装用の着物
黒紋付は、着物と羽織に入った紋の数や種類、黒地の退色、比翼や裏地の状態などが確認点になります。家紋入りの品は着る人が限られるため、再販面では不利になる場合がありますが、家紋があるという理由だけで処分する必要はありません。
袴や角帯と一緒に保管されている場合は、別々に捨てず、まず関連する品として見てもらいます。
袴
袴は、見える正面だけでなく、腰板、腰紐、内股の縫い目、裾を確認します。長くたたんだままだと折り山に擦れが出たり、腰板が変形したりすることがあります。
馬乗り袴か行灯袴か分からなくても、自分で判定する必要はありません。黒紋付に合わせていたものか、茶道・舞台・日常着などで使っていたものか、分かる範囲の情報を添えて査定に出します。
角帯
角帯は単なる付属品ではなく、単独で査定されることがあります。正絹か化繊か、博多織など産地が確認できるか、端や中央に折れ・擦れ・糸の浮きがないかが主な確認点です。
証紙や織元のラベルがある場合は、帯から離れていても一緒に出します。着物と色が合うというだけでセット扱いになるとは限らないため、購入時から組み合わせていたか分からなければ、そのまま伝えましょう。
シミや傷みはこの順番で確認する
着物を何枚も広げると戻せなくなることがあるため、査定前は無理に全体を点検しなくても構いません。確認するなら、次の順番だと傷みを見つけやすくなります。
- たとう紙を開けたときのカビ臭・防虫剤臭
- 衿と袖口の皮脂汚れ
- 前身頃と裾のシミ
- 尻・膝・袴の内股にある擦れ
- 裏地の黄変と縫い糸の緩み
シミを見つけても、家庭用洗剤や消臭スプレーは使わないでください。正絹は水分や摩擦で輪ジミや色落ちが生じることがあります。高額なクリーニングも、費用を買取額で回収できるとは限らないため、手を加えず状態を伝えるほうが無難です。
証紙がなくても査定はできる?
証紙がない男性着物でも、査定を依頼できます。ただし、産地物や織元の品として確認する材料が少なくなるため、次のものが残っていないか探してみてください。
- 反端や端布
- 仕立て時の寸法票
- 織元・購入店のラベル
- たとう紙に書かれた品名
- 領収書や購入時の説明書
たとう紙そのものに大きな価値があるわけではありませんが、書かれた品名や店名が手がかりになることがあります。汚れているからと先に捨てず、査定が終わるまでは残しておきます。
男性着物を売る前にしないほうがよいこと
- 着物と共布の羽織を別々に処分する
- 袴の紐や羽織紐を切る
- 証紙や反端を着物と無関係だと思って捨てる
- 家庭で洗濯・シミ抜き・アイロンがけをする
- 家紋入りという理由だけで売れないと決める
まず「着物」「羽織」「袴」「帯・小物」に分け、同じ人が使っていたものを近くに置くだけで十分です。査定先には、対になっていると確認できたものと、関連が不明なものを分けて伝えます。
男性着物が多いときは出張査定も選択肢
着物だけでなく羽織、袴、角帯、長襦袢まであると、店舗への持ち運びは負担になります。点数が多い場合は、自宅で内容を確認してもらえる出張査定を選ぶ方法があります。
バイセルの公式案内では、着物に加えて紬・帯・和装小物が取扱品目として掲載され、出張・店頭・宅配の各方法が案内されています。実際に対応できる品や買取方法は地域・内容で異なる場合があるため、申し込み時に「男性着物、羽織、袴、角帯がある」と伝えて確認してください。
男性着物を自宅でまとめて見てもらいたい方へ
着物と羽織が対になっているか分からない場合も、無理に自分で判断する必要はありません。袴や角帯、証紙などを近くにまとめ、申し込み時に点数と内容を伝えておくと進めやすくなります。
男性着物の買取でよくある質問
男性用の羽織だけでも査定できますか?
羽織だけでも査定を依頼できます。正絹かどうか、産地や織元が分かるか、衿・肩・裏地に傷みがないかなどが確認点です。共布の着物がある場合は、離さず一緒に出してください。
袴や角帯だけでも売れますか?
袴や角帯も、素材・産地・状態・需要によって査定対象になります。袴は腰板や紐、内股、裾、角帯は折れや糸の浮き、証紙の有無を確認しておきます。取扱いは業者ごとに異なるため、事前確認が必要です。
家紋入りの着物は値段がつきませんか?
家紋入りは着用できる人が限られ、再販しにくい場合があります。しかし、素材、産地、状態、黒紋付一式がそろっているかなど、ほかの条件も含めて判断されます。紋だけを理由に処分せず、査定で確認するのがよいでしょう。
父や祖父の身長が分からなくても大丈夫ですか?
身長が分からなくても査定できます。寸法票があれば一緒に出し、なければ着物本体から確認してもらえます。無理に採寸して生地を引っ張ったり、しつけ糸を外したりする必要はありません。
ウールや化繊の男性着物も査定できますか?
査定を依頼できる場合はありますが、正絹に比べると値段がつきにくいことがあります。未使用品や状態のよい品でも、業者によって取扱いが異なるため、申し込み前に素材と点数を伝えて確認してください。
まとめ
男性着物も、素材、産地、寸法、状態によって買取対象になります。査定前は、着物だけを見るのではなく、次の順番で整理すると内容が伝わりやすくなります。
- 着物と共布の羽織があるか確認する
- 黒紋付、袴、角帯など用途が近い品をまとめる
- 証紙、反端、寸法票、購入時の資料を残す
- 衿・袖口・尻・膝・裾と、袴の内股を確認する
- シミ抜きや洗濯はせず、そのまま状態を伝える
男性着物は色柄が控えめなものも多く、見た目だけでは産地や素材を判断できないことがあります。羽織・袴・角帯を先に処分せず、関連する品をまとめて着物に対応した査定先へ相談しましょう。
バイセル
バイセルは、振袖・訪問着・留袖・紬・帯など、さまざまな着物の査定に対応しています。着物が複数ある場合や、店舗まで持ち運ぶのが難しい場合は、自宅で査定を受けられる出張買取が便利です。
査定を受けたからといって、必ず売却しなければならないわけではありません。処分するか迷っている着物も、まずは現在の価値を確認してから判断できます。
