実家の切手アルバムを整理していたら、阿修羅像や姫路城、鳥獣人物戯画など、日本の国宝が描かれた切手が何枚も出てきた。そんなとき、「シリーズでそろっていれば高く売れるのでは?」と気になる方もいるでしょう。
国宝シリーズ切手は、1967年に発行が始まった、日本の国宝を題材にした特殊切手です。
昭和から平成初期にかけて第1次・第2次・第3次が発行され、2020年には新しい国宝シリーズも登場しました。
ただし、古い国宝切手だからといって、すべてに高額なプレミアが付くわけではありません。
国宝シリーズの価値を調べる際は、どのシリーズなのか、バラかシートか、全種類そろっているかを区別することが重要です。
この記事では、切手専門店の販売価格を参考にしながら、国宝シリーズの買取価格の考え方、全種セットの確認方法、売却前の注意点を解説します。
国宝シリーズ切手の買取価格はいくら?
国宝シリーズ切手は、第1次・第2次・第3次によって種類数が異なり、バラ切手とシートでも査定条件が変わります。
参考として、切手専門店の日本郵便趣味協会では、第1次国宝シリーズの単片全22種セットが1,440円、第2次の単片全16種セットが1,820円で販売されている例があります。第3次についても、マルメイトで単片全16種セットが1,900円で掲載されています。※1~※3
ただし、これらは専門店が購入者に販売する価格であり、買取店に売ったときの金額ではありません。
買取店では、一般的に販売価格より低い金額になると考えられますが、実際の金額は切手の状態や店舗の取扱条件によって異なります。
今回確認した公開資料では、第1次から第3次まで、それぞれの全種セットについて、現在適用される確定買取価格は確認できませんでした。
ネット上の販売価格をそのまま買取相場と考えず、手元の切手の種類と状態を伝えて査定額を確認しましょう。
国宝シリーズは全部で何種類?全54種と53シートの違い
国宝シリーズの全種セットを調べると、「全54種」と「53シート」という異なる数字が出てくることがあります。
これは、切手の種類数とシート枚数の数え方が異なるためです。
東京書芸館が販売する国宝切手のコンプリートシートセットでは、次のように分類されています。※4
| シリーズ | 発行期間 | 種類数 | シート数 |
|---|---|---|---|
| 第1次国宝シリーズ | 1967~1969年 | 22種 | 21シート |
| 第2次国宝シリーズ | 1976~1978年 | 16種 | 16シート |
| 第3次国宝シリーズ | 1987~1989年 | 16種 | 16シート |
| 合計 | 1967~1989年 | 54種 | 53シート |
第1次には、2種類の図柄が1シートになっているものがあるため、22種類でも21シートという数え方になります。
なお、第3次の発行は1989年まで続いているため、第1次から第3次までのすべてが昭和に発行されたわけではありません。
福ちゃんの「全53種」という説明との違い
福ちゃんの解説記事では、第1次を21種類、全体を53種類として紹介しています。※5
一方、切手専門店の販売資料では、第1次を22種類、全体を54種類として扱っています。
コレクションの整理では、単に数字だけを確認するのではなく、全図柄がそろっているか、セット商品の構成と照らし合わせることが大切です。
第1次国宝シリーズ|1967~1969年発行の22種
第1次国宝シリーズは、飛鳥時代から江戸時代まで、時代別に国宝を紹介する構成です。
1967年11月1日に発行された飛鳥時代の切手から始まり、1969年まで発行されました。
弥勒菩薩や百済観音、阿修羅像、姫路城など、日本の美術・建築を代表する作品が採用されています。
第1次で確認したい代表的な図柄
| 時代 | 代表的な図柄 |
|---|---|
| 飛鳥時代 | 弥勒菩薩、百済観音、法隆寺 |
| 奈良時代 | 阿修羅像、吉祥天 |
| 平安時代 | 普賢菩薩、信貴山縁起絵巻 |
| 室町時代 | 銀閣、秋冬山水図 |
| 桃山時代 | 姫路城、松林図 |
| 江戸時代 | 紅梅図・白梅図 |
第1次の全種セットを持っている場合は、江戸時代の紅梅図と白梅図の両方がそろっているか確認しましょう。
第1次には15円と50円の切手があり、額面も図柄によって異なります。
第1次の全種セットにプレミアはある?
第1次はシリーズの中でも発行時期が古いものですが、古さだけで高額買取が決まるわけではありません。
切手専門店には単片全22種セットの販売価格1,440円という掲載例があります。※1
この価格は買取額ではないため、売却する際は額面合計や保存状態も踏まえて実際の査定額を確認しましょう。
第2次国宝シリーズ|全8集・16種を確認
第2次国宝シリーズは、1976年から1978年まで発行されました。
全8集で、それぞれ2種類ずつ、合計16種類の切手があります。
薬師寺東塔、執金剛神立像、鳥獣人物戯画、平家納経、紫式部日記絵巻、東照宮陽明門などが題材になっています。
第1次とは異なり、発行内容を時代別に分けるのではなく、美術品や建築物など、さまざまな国宝が取り上げられています。
8集そろっていても、16種類あるか確認
第2次は、1集につき2種類です。
そのため、アルバムに8集分のページがあっても、各集の切手が1種類しか残っていなければ、全16種完にはなりません。
購入時のセットがそのまま残っている場合は、無理に切り離さず、全種類の有無を確認しましょう。
専門店では単片全16種セットの販売価格1,820円という掲載例がありますが、買取店に売る場合は別の金額になります。※2
第3次国宝シリーズ|1987~1989年発行の16種
第3次国宝シリーズは、1987年に発行が始まり、1989年まで続きました。
全8集・16種類で、彦根城天守、厳島神社、室生寺五重塔、玉虫厨子、金印などが図柄になっています。
同じ第3次でも、各集には異なる額面の切手が含まれています。
例えば、第1集は八橋蒔絵螺鈿硯箱と彦根城天守の2種類です。※3
第3次を売る前に確認すること
第3次の全16種セットを持っている場合は、全8集のうち欠けている図柄がないかを確認しましょう。
また、1989年発行分までそろっているかも重要です。
専門店のマルメイトでは、単片全16種セットの販売価格が1,900円と掲載されています。※3
ただし、これは販売価格です。使用済みやシミのある切手が含まれる場合など、実際の買取額は個別の査定によって変わります。
全54種セットなら高く売れる?
第1次から第3次まで全種類がそろっていると、国宝シリーズをまとめて収集したコレクションとして確認しやすくなります。
ただし、全種そろっているという理由だけで、必ず大きなプレミアが付くとは限りません。
特に注意したいのは、バラ切手54種類のセットと、全53シートのセットを同じものとして比較しないことです。
| 保管状態 | 確認すること |
|---|---|
| バラ54種類 | すべて異なる図柄か、未使用か |
| 第1次22種類 | 紅梅図・白梅図などの欠けがないか |
| 第2次16種類 | 全8集・各2種類がそろっているか |
| 第3次16種類 | 1989年の発行分まであるか |
| シート一式 | シートの欠け、余白の傷み、額面合計 |
全種セットにするために不足分を購入する場合は、買い足しにかかる費用にも注意しましょう。
売却目的であれば、先に現在のコレクションのままで査定額を確認した方が、費用をかけすぎずに済みます。
国宝シリーズの全シートセットは高額で販売されているが…
国宝シリーズを調べると、数十万円のセット商品が見つかることがあります。
例えば、東京書芸館では、第1次から第3次までの全54種・53シートを収めた商品が396,000円で販売されています。※4
ただし、これは全種類の切手シートを専用ホルダーに収めた販売商品であり、バラ54枚のセットとは内容が大きく異なります。
当然ながら、この販売価格が、手元の国宝シリーズを買取店に売ったときの金額になるわけではありません。
シート一式を持っている方は、各シートの額面と状態を確認し、実際の査定額と比較しましょう。
令和版の国宝シリーズは昭和の切手と何が違う?
国宝シリーズという名称の切手は、2020年にも発行されています。
2020年5月29日に発行された第1集は、63円と84円のシール式切手です。※6
昭和に発行が始まった第1次国宝シリーズとは、額面も商品構成も異なります。
| 令和版・第1集 | 内容 |
|---|---|
| 発行日 | 2020年5月29日 |
| 63円シート | 10枚・額面合計630円 |
| 84円シート | 10枚・額面合計840円 |
| 2シートの額面合計 | 1,470円 |
令和版を売却する場合は、未使用のシートとして買取対象になるか、額面に対する買取率はいくらかを確認しましょう。
シール式切手は、一度台紙から剥がすと元に戻せません。売却を考えている場合は、シートのまま保管してください。
バラとシート、どちらが高く売れる?
国宝シリーズをバラで持っている場合とシートで持っている場合では、買取店の取扱条件が異なることがあります。
シートには、切手本体の枚数に応じた額面合計があります。
例えば、15円切手が20枚つながっていれば額面合計は300円、50円切手が10枚つながっていれば額面合計は500円です。
買取店が額面を基準に査定する場合は、この額面合計に対する買取率が判断材料になります。
一方、収集用として別の評価が付く場合もあるため、査定前に切り離さないようにしましょう。
シートを持っている場合は、まずシートのまま査定を依頼し、バラとの取扱条件の違いを確認してください。
国宝シリーズを郵便料金に使うか売るかの判断基準
未使用の国宝シリーズ切手は、郵便料金の支払いに利用できる場合があります。
ただし、切手専門店で収集品として販売されているものもあるため、額面だけで判断する必要はありません。
売却を検討する際は、次の3つを区別しましょう。
| 金額 | 意味 |
|---|---|
| 額面合計 | 切手に印刷された金額の合計 |
| 買取価格 | 買取店に売ったときに受け取る金額 |
| 販売価格 | 切手専門店から購入する際の金額 |
販売価格が額面より高くても、その差額を買取時に受け取れるとは限りません。
実際の査定額を確認し、郵便料金として使う場合の額面合計と比較しましょう。
国宝シリーズ切手の価値を下げない保管方法
第1次国宝シリーズは1960年代に発行された切手です。
長期間アルバムに入れていた場合、表面のシミや裏糊の劣化などが生じていることがあります。
| 状態 | 注意点 |
|---|---|
| シミ・変色 | 水や薬品で落とさない |
| 裏糊の傷み | こすったり洗ったりしない |
| シートの折れ | 無理に伸ばさない |
| 目打ちの欠け | 端を引っ張らない |
| アルバムへの貼り付き | 無理に剥がさない |
| シール式切手 | 台紙から剥がさない |
古い切手をきれいにしようとして水拭きすると、紙が波打ったり、裏糊が傷んだりするおそれがあります。
アルバムに貼り付いている場合は、そのままの状態で買取店に相談しましょう。
国宝シリーズ切手はどこで売る?
国宝シリーズ切手を売る方法には、金券ショップ、切手専門店、切手買取業者、フリマアプリなどがあります。
それぞれ取扱条件が異なるため、シリーズの種類と保存状態を伝え、査定方法を確認しましょう。
| 売却先 | 確認したいこと |
|---|---|
| 金券ショップ | 国宝シリーズの取扱い、額面に対する買取率 |
| 切手専門店 | 全種セットやシートとしての評価 |
| 切手買取業者 | アルバム・大量の切手をまとめて査定できるか |
| フリマアプリ | 販売手数料、送料、状態説明の手間 |
特に、全種類そろったコレクションやシート一式を持っている場合は、額面の合計だけでなく、セットとしての査定額も確認しましょう。
福ちゃん|国宝シリーズや記念切手をまとめて相談
福ちゃんの公式サイトでは、国宝シリーズの第1次から第3次までの特徴を解説しています。※5
国宝シリーズの全種セットやシートを保管している場合は、種類数や枚数を伝え、買取対象になるか確認しましょう。
切手趣味週間や国際文通週間など、ほかの記念切手を一緒に持っている場合も、まとめて相談できます。
福ちゃんで国宝シリーズ切手の査定を相談
国宝シリーズは、第1次・第2次・第3次で種類数が異なり、バラ・シート・全種セットでも評価が変わります。
切手アルバムをお持ちの方は、WEBから買取対象と査定方法を確認しましょう。
バイセル|国宝シリーズの全種セットやシートを査定
バイセルでも、記念切手や特殊切手などの買取を案内しています。
第1次から第3次までの国宝シリーズがそろっている場合は、全種セットとしての取扱条件を確認しましょう。
シートやアルバムに入った切手は、切り離したり無理に剥がしたりせず、そのままの状態で相談してください。
バイセルで国宝シリーズ切手の買取を相談
国宝シリーズ切手のよくある質問
国宝シリーズ切手の買取価格はいくらですか?
第1次・第2次・第3次の違いや、バラ・シート・全種セットの状態によって異なります。
現在の確定買取価格は確認できなかったため、手元の切手の状態を伝え、査定額を確認してください。
第1次国宝シリーズの全種セットはいくらで売れますか?
切手専門店には、単片全22種セットの販売価格1,440円という掲載例があります。※1
ただし、これは販売価格であり、実際の買取額ではありません。
第2次・第3次にも価値はありますか?
どちらも全16種類の国宝シリーズです。
全種セットやシートの取扱いは店舗によって異なるため、額面合計と実際の査定額を確認しましょう。
国宝シリーズは全53種ですか?54種ですか?
今回確認した切手専門店のセット商品では、第1次22種、第2次16種、第3次16種の全54種とされています。※4
シートでは全53シートという構成です。一方、福ちゃんの解説には全53種という表記もあるため、売却時は全図柄がそろっているかを確認しましょう。
令和版の国宝シリーズも買取できますか?
未使用の切手として買取対象になる場合があります。
2020年発行の第1集はシール式のため、台紙から剥がさずに査定を相談しましょう。
国宝シリーズはシートから切り離した方がいいですか?
売却予定なら、査定前に切り離さない方が安全です。
シートとバラでは買取条件が異なる場合があるため、元の状態で確認してもらいましょう。
国宝シリーズはアルバムごと査定に出せますか?
アルバムごとの査定を相談できる場合があります。
切手が台紙に貼り付いている場合は、無理に剥がさず、状態を伝えて確認しましょう。
まとめ|国宝シリーズの価値は種類数と保存状態で判断
国宝シリーズ切手は、日本の国宝を題材にした特殊切手です。
切手専門店のセット商品では、第1次22種、第2次16種、第3次16種の全54種とされています。
第1次・第2次・第3次の全種セットには、それぞれ専門店の販売価格が掲載されていますが、その金額が買取価格になるわけではありません。
また、全54種のバラ切手と、全53シートのセットは別の商品です。同じ条件で価格を比較しないようにしましょう。
国宝シリーズを売却する際は、シリーズと種類数、額面、未使用かどうか、シートの状態を確認することが大切です。
切手を切り離したり洗ったりせず、現在の状態のまま、実際の査定額を比較しましょう。
国宝シリーズ切手の買取先を比較する
国宝シリーズの全種セットやシート、ほかの古い記念切手をお持ちの方は、買取対象と査定条件を確認して売却を検討しましょう。
バイセル
切手シートやバラ切手をまとめて整理したい方に。
古い記念切手や中国切手も含め、買取対象と査定額を確認できます。
福ちゃん
収集していた切手の価値を確かめたい方に。
記念切手や中国切手など、種類の異なる切手もまとめて査定を相談できます。
参考資料:
※1 日本郵便趣味協会|第1次国宝シリーズ全22種・販売価格
※2 日本郵便趣味協会|第2次国宝シリーズ全16種・販売価格
※3 マルメイト|第3次国宝シリーズの販売価格・構成
※4 東京書芸館|国宝切手全54種・53シートの構成
※5 福ちゃん|国宝切手のシリーズ解説
※6 日本郵便|国宝シリーズ第1集の発行情報
